定期預金情報(HOME)>定期預金の基礎知識>iDeCoで定期預金を選ぶメリット・デメリット
iDeCoで定期預金を選ぶメリット・デメリット
iDeCoでは投資信託だけでなく、金融機関が用意する定期預金などの元本確保型商品も選べます。値下がりを避けながら掛金の所得控除を使える点は大きな特徴です。
一方で、iDeCoは普通の銀行口座とは異なり、原則60歳まで引き出せず、制度手数料もかかります。「定期預金だから必ず拠出額以上で受け取れる」とは限りません。
iDeCoの定期預金とは
iDeCoは老後資金を準備する私的年金制度で、定期預金は制度内で選ぶ運用商品の一つです。利用者は運営管理機関を選び、その機関が提示する定期預金、保険商品、投資信託などから掛金の配分を決めます。
一般の定期預金は課税口座で自由に預け入れますが、iDeCoでは掛金の拠出、運用、受取に制度上のルールがあります。金融機関を比べるときは、定期預金の金利だけでなく、商品ラインアップ、口座管理手数料、配分変更や預け替えの手続きも確認します。
iDeCoで定期預金を選ぶメリット
1. 掛金が全額所得控除になる
拠出した掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、課税所得から差し引かれます。定期預金の利息が小さくても、所得税・住民税の軽減効果が運用益を上回ることがあります。ただし、課税所得がない人は掛金の所得控除を受けられません。
2. 運用益が非課税で再投資される
一般の預金利息には原則20.315%の税金がかかりますが、iDeCo制度内の運用益は非課税で再投資されます。もっとも、定期預金金利が低い場合は、非課税になる利息自体も小さくなります。
3. 値下がりを避けて老後資金を確保しやすい
元本確保型の定期預金を選べば、株式や債券を組み入れた投資信託のような基準価額の値下がりを避けられます。退職が近い人が、すでに増えた年金資産の一部を守る置き場所として使う方法もあります。
4. 受取時にも控除がある
一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象になります。ただし、会社の退職金や他の年金との受取時期・金額によって税額が変わるため、受取時の無税を保証する制度ではありません。
iDeCoで定期預金を選ぶデメリット
1. 原則60歳まで引き出せない
iDeCoは老後資金の制度であり、加入後は原則として受給可能年齢まで資産を引き出せません。60歳から受け取るには原則10年以上の通算加入者等期間が必要で、期間が短い場合は受給開始年齢が後ろにずれます。生活防衛資金、教育費、住宅購入資金を入れる場所ではありません。
2. 利息より手数料が大きくなることがある
2026年9月時点では、新規加入・移換時に国民年金基金連合会の手数料2,829円、掛金納付の都度105円がかかり、これとは別に運営管理機関や資産管理を行う信託銀行の手数料があります。2027年1月の掛金引落し分から、連合会の加入中手数料は月額120円へ変更予定です。
低金利の定期預金だけで運用すると、利息が制度手数料に届かない場合があります。元本確保型とは、制度に払った費用まで含めて拠出額を保証するという意味ではありません。
3. インフレに弱い
元本の金額が維持されても、物価上昇率が定期預金金利を上回れば、将来買える物やサービスは減ります。運用期間が数十年になる若い人ほど、全額を定期預金にする機会損失と実質的な目減りを考える必要があります。
4. 金融機関ごとに商品と金利が違う
iDeCoの定期預金は、一般向けのキャンペーン定期と同じ金利とは限りません。金融機関を変えるときは移換手続きに時間と費用がかかる場合もあるため、加入前に元本確保型商品の有無と適用金利を確認します。
一般の定期預金との違い
| 比較項目 | 一般の定期預金 | iDeCo内の定期預金 |
|---|---|---|
| 資金の目的 | 近い将来に使う資金から余裕資金まで | 原則として老後資金 |
| 途中引き出し | 中途解約は可能。利息が減ることがある | 商品変更はできても、制度外への引き出しは原則60歳まで不可 |
| 掛金の所得控除 | なし | 掛金全額が所得控除の対象 |
| 利息への課税 | 原則20.315% | 制度内の運用益は非課税で再投資 |
| 手数料 | 通常は口座管理の制度手数料なし | 加入、運用中、給付などに制度手数料あり |
| 受取時の税 | 元本の払戻し自体には課税なし | 受取方法に応じて課税関係があり、各種控除の対象 |
向いている人・向いていない人
iDeCoの定期預金が向いている人
- 課税所得があり、掛金の所得控除を活用できる
- 60歳以降まで使わない老後資金を分けられる
- 価格変動を避けることを最優先したい
- 退職が近く、年金資産の値下がりを抑えたい
- 投資信託と組み合わせる安全資産部分を作りたい
全額を定期預金にしない方がよい可能性がある人
- 加入期間が長く、物価上昇に負けない成長も必要
- 少額資産で、定期預金の利息より手数料負担が重い
- 課税所得がなく、所得控除の効果を得られない
- 60歳より前に使う可能性がある資金を拠出しようとしている
実務的な使い方
リスクを取りたくないから最初から全額を定期預金にする方法だけでなく、年齢や資産状況に応じて配分を変える方法があります。若い時期は低コストの投資信託も使い、退職が近づいたら一部を定期預金へ移すなど、値動きを抑える役割として使えます。
判断するときは、毎年の所得控除による税負担軽減額、定期預金の税引前利息、年間の制度手数料、受取時の税制を分けて概算します。掛金を拠出する本人の所得や退職金の予定によって結果が変わるため、家族の税率をそのまま当てはめないでください。
公式資料・確認先
- iDeCo公式サイト「iDeCoの特徴」
- iDeCo公式サイト「iDeCoのメリット」
- iDeCo公式サイト「加入手続き・手数料」
- iDeCo公式サイト「運営管理機関一覧」
- 国民年金基金連合会「2027年1月の加入中手数料改定」
最終確認日:2026年9月1日。税制、加入資格、掛金上限、受給要件は改正されることがあるため、加入・受取時にはiDeCo公式サイトと利用する運営管理機関で最新情報を確認してください。